日経ビジネスのLCCに関する記事について

LCCに関する記事が日経ビジネスにありました。

基本的にLCCで経済が活性化することについては
歓迎したいと思います。

しかし日本国内の議論は、
あくまでもガラパゴス的です。

デレギュレーションによりLCCの道を開いた本家アメリカでは
既に価格競争は収斂傾向にあり、
大手の1/5といった破格のバリュージェットは事故を境に
エアトランと逆さ合併しブランド名を消し
そのエアトランでさえサウスウエストに買収されることが決定しました。

jetBlueも超格安路線はとっていません。

日本国内でのLCCって何だろうという議論は、
15年以上前にアメリカで発生したことの焼き直しに近いものがあります。

アジア圏でLCCが台頭しているのは事実です。
ただしインドネシアではLCCの台頭により航空業界全体の緩みから
インドネシアの全てのキャリア(ガルーダを含む)が、
EUブラックリストに掲載され、乗り入れが禁止されました。
(最近ガルーダは解除されましたが)

タイのOne-Two-Goも事故により信頼を失っている現状があります。

日経ビジネスの記事は、
うまくいっている例だけを記載しています。
それも現在までにうまくいっている事例です。

以前マレーシアに行った際にKL Sentralのバスターミナルから
RM9だけでLCCTに向かう
AirAsiaの赤いバスを見ました。
アジアのパワーを感じます。

が、ちょっとした不祥事でも新聞がかき立てる日本の国情と
マレーシアのある意味寛大な国情には
土壌の違いがあります。
町中の路線バスでもドアを閉めずに走ったり、
日本では大新聞がおもしろおかしくたたきそうなことが日常です。

また、物価・所得格差がアジア圏内で大きいのも特色です。

AirAsiaXが羽田に就航し、その後
日本の「シビア」な不祥事たたきに耐えられるか。

日本市場は判官贔屓で小さいうちはたたかずに
大きくなるとたたく傾向にあるので未知数でしょう。

LCCによりこれまで日本に呼び込めなかった顧客を呼び込む契機となり
観光立国となり得ることは是非礼賛したいと思います。