原発事故の会見での質問

首相の記者会見がありました。

あくまで一技術屋の視点で疑問があります。

その中での記者からの質問の意図によっては
困った質問と思われるものがありました。

※首相会見の全文がでていないので記憶を頼りに記します。

政府として原発の事故防止対策は震災前に考えていたか?
という質問があったと記憶しております。


原子力に限らず、システムはそのシステムを設計ないし
設計変更する場合は相当の検証を行います。

それは高速増殖炉もんじゅの始動まであれほど時間を要したこと、
いつもこのブログで触れる民間航空機については
10年弱の時間を要します。

こと、安全に直結する原発において
そう短期間に安全対策が講じられるはずもなく、
また早計に設計変更されても膿の出ていないシステムとなり、
かえって危険であることは明白です。

1971年に灯がともった福島第一原発については、
当初の設計思想やこれまでの思想の積み重ねであり、
このわずかばかりの1~2年で何か対策がとれたとしたら、
奇跡的と言わざるを得ません。


揚げ足取りの報道ばかりでなく、
技術的な掘り下げをした上で冷静な報道を望みます。

それができなければ感情的な報道は劣化するのみです。