規則だから。。。。

規則だから。
守るしかない。


そういった内容も世の中にはあります。


不足しているものがあります。
「なぜその規則が作られなければならなかったのか。」


規則が作られた理由や背景を
説明する側も規則を守る側も分かることにより
適切な行動を取ることができます。


もし規則が実態と沿わない場合でも
規則ができた背景が分かれば、
自分の置かれた状態が分かれば、
イレギュラー処理もできます。


しかしながら現実は、
「規則だから。。。。」


これでは何の進歩もありません。


航空ファンとしては以下の事例があります。


焼津市上空でニアミスが起きた事故です。
※本ブログ既出


本来ならばTCAS(空中衝突防止装置)に従うのが常ですが、
TCASの指示とは反対に747-400D側は操縦桿を思い切り倒しています。


重軽傷者は出たのもの、
空中衝突という大惨事は避けました。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%E9%A7%BF%E6%B2%B3%E6%B9%BE%E4%B8%8A%E7%A9%BA%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%82%B9%E4%BA%8B%E6%95%85


ここからは推測があります。
事実に完全に即しているかは分かりませんと前置きします。


当時の規則ではTCAS最優先ではありませんでした。


また両機とも降下中です。
降下中はエンジン出力を絞ります。


エンジン出力を高めた状態で降下すると
速度超過に陥りやすいためです。


※当時エンジン出力を若干高めた状態で、
 スポイラー等で減速しながら降下していた可能性もあります。


速度超過を起こすと、
翼面から気流は剥離します。


気流が剥離を起こすと十分な揚力を得ることができません。
それ以上の速度超過になると振動が起き、
機体の破壊に至る恐れもあります。


さて仮にエンジン出力を絞った状態で、
操縦桿を引き上げると「失速」に至る可能性があります。


ではエンジンの出力上昇はすぐにできるかというと、
直径2mほどのエンジンの出力を上げるには数秒の時間を要します。


慣性モーメントというものです。
回っているものは回り続けようとし、
止まっているものは止まり続けようとします。


ですからとっさの判断になりますが、
操縦桿を押し倒して、
急速な降下を掛けるというのは、
衝突防止という観点からし
結果論ですが、間違っていたかどうかは分からないと思われます。


無論事故ですから複合要因ですが。