時刻

ある天文観測の現場でのお話しです。

あるとき実験に関係する方が、
観測機器の時計を自分の時計に合わせました。

自分の時計は直前に時報を聞いて合わせたもの。

これを聞かれた皆さんはじゃぁいいじゃないか、
と思われるかもしれませんが、
天体観測はそれよりもはるかに厳しい時間の管理が求められます。

公に観測された細かな時刻と比較して、
自らが観測した時刻がどれほど正確かにより、
データが利用できるに足るかどうかが決まります。

あくまでサイエンスの世界ですので、
観測された時刻は非常に大事です。

自分のデータに対して厳しかったそのチームは
その観測データをすべて捨てました。

その自分に厳しいチームは
改めて正しい方法で時刻を合わせた後にデータを取り直し
その後世界的に著名な賞を受賞しました。

自分のデータに厳しいということは
非常に大事です。