BOOM OVERTURE

プロやマニアには知られた話ですが
聞き慣れない方も多いかもしれません。

BOOM  OVERTURE

Boom Overture(Wikipediaより)
https://en.wikipedia.org/wiki/Boom_Overture

ユナイテッド航空が導入を決定し、
JAL資本提携や将来の導入を検討している
超音速旅客機です。

ユナイテッド航空 BOOM TECHNOLOGYと契約
https://blog.goo.ne.jp/a350-1000/e/1d3375b24b3e1ffccfbcc6c699f2cb01

そしてもう一つの流れとして
環境に配慮した電動航空機を導入する流れ。

アメリカン航空 電動航空機導入
https://blog.goo.ne.jp/a350-1000/e/fa09f3b3fa9b6f4c9aab86b870887165

COVID-19の蔓延により、
Web会議が増加し従来出張を行い
直接会って交渉を行う必要性が低下し
国内・海外出張が大きく減る中
今後は超音速旅客機を用いた高速移動と
速度をそれほど求めない旅行需要とに二極化されると
想定されていることを背景としています。

ここで超音速旅客機はその速度を出すため
主翼の形状が従来の旅客機(亜音速遷音速機)とは大きく異なっており
離陸時に揚力が確保できるまでの離陸滑走距離が
大きく伸びる傾向があります。

また飛行時の衝撃波や騒音の発生により
地上に影響が及ぶ可能性が高くなります。

衝撃波や騒音は軽減するよう計画されていますが
ご多分に漏れず離陸滑走距離はかなり長くなるようで、
次の資料によると3048mが必要になります。

Overture Supersonic Commercial Aircraft
https://www.aerospace-technology.com/projects/overture-supersonic-commercial-aircraft/

ここで再国際化した羽田のC滑走路は3360mと
あまり余裕がありません。

東京国際空港(Wikipediaより)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A9%BA%E6%B8%AF

一方成田国際空港関西国際空港
最長4000mとかなり余裕があります。

成田国際空港(Wikipediaより)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E7%94%B0%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A9%BA%E6%B8%AF

騒音や衝撃波の問題からも
成田の利用が主となる可能性がかなりあります。

記述するとすぐリンクがなくなる可能性があるものの
ここで羽田再国際化に必要とした総事業費は
PFIや鉄道整備を除外して約7300億円。

https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000641434.pdf

一方成田空港を活用するいわゆる都心直結線の整備費は
PFIで4000億円程度。

都心直結線(Wikipediaより)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E5%BF%83%E7%9B%B4%E7%B5%90%E7%B7%9A

その差3300億円ですが、2重投資を行う可能性もあり
総合的に見て成田に超音速旅客機を就航させると
安倍晋三氏肝いりで行われた
羽田のアジアゲートウェイ構想は
アベノミクス同様近い将来消えそうです。

文藝春秋 2021年11月号
https://blog.goo.ne.jp/a350-1000/e/398ae4ae5c9cc5823e1dfc5242286d3d

この国には大盤振る舞いするお金はありません。

あまり触れられていませんが、
ここにも短期的な視野で借金が行われている現実が
垣間見えます。

選挙でツケを将来に残すか否かは自由です。

敢えて異なる視点で記しました。