二人で実施する業務

以前コックピット内の操縦士がなぜ2人以上なのか、
を記しました。


同じような考え方が
双発機による洋上飛行"ETOPS"において
実践されています。


まずは"ETOPS"について。


http://ja.wikipedia.org/wiki/ETOPS/LROPS


かつては、洋上飛行は3発以上のエンジンが必要でした。


エンジンを含め信頼性が今より低かったためです。
仮にエンジンが1発停止しても
残り2発以上のエンジンがあります。


これを双発のエンジンを用いて、
洋上飛行しようとするため、
万が一1発のエンジンが停止した場合でも
安全に緊急着陸できなければなりません。


そもそも両方のエンジンに同じような整備ミスなどが発生しては
信頼性の向上を図ることが出来ません。


しかし構造は左右一緒です。


どうするか。


実はいくつかある答えのうちの一つは、
「左右のエンジンを別々の人間が整備する」
「よって同じようなミスが起こりにくくなる」
というものです。


無論ミスがないように仕事をするのは必須ですが、
根性論で「間違えるな!」とだけやるのは、
具体策にならないので
「人間は間違う可能性がある」
という摂理をベースに
それでもどうするかを考えたわけです。


英文で恐縮ですが、
お読み頂ければ幸いです。


http://www.boeing.com/commercial/aeromagazine/aero_07/etops.html


http://www.boeing.com/commercial/aeromagazine/aero_05/textonly/m02txt.html


航空・宇宙の世界は人間の本質を
完璧ではないものとして取り扱います。


そうするよりほかないからです。