東京 - ニューヨーク直行便

東京 - ニューヨーク直行便には変わった歴史があります。


航空を本業とされる方やコアなファンの方には
知られた話ですが、
つい30年ほど前までは特殊仕様の一部の機体のみが
直行便として飛べる状態でした。


その歴史をひもとくと


1. Boeing 747 SP


従来はアンカレッジなどで一旦着陸し給油
(これをテクニカルランディングといいます)
を経て再度目的地に向かっていました。


パンナムの要請により、
747の短胴型である、747-SPを作り、
機体重量を減らした分航続距離を長くすることとしました。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0747-SP


こうした特別仕様の機体によりやっと実現できる時代がありました。


2. 747-200 + JT9D-7R4G2


747-200はいわゆる昔ながらの
アッパーデッキの短い国際線用の747です。


通常の747-200では、
無論東京-ニューヨーク間の無着陸飛行はできませんでした。


本ブログの「エリアルール」で触れた、
747-300というアッパーデッキの長い747の開発に伴って、
派生する形で生まれました。


747-300はアッパーデッキが長い分重量が重くなります。
空気力学的に有利でも重量は重くなりますので
従来の747-200より強力なエンジンが必要になります。


そこでJT9D-7シリーズの派生系として
JT9D-7R4G2エンジンが開発されました。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%BCJT9D


この強化されたエンジンを
従来型のアッパーデッキの短い(重量の軽い)747-200に装着し、
燃料タンクを追加することにより、
東京-ニューヨーク直行便仕様の、
747-200が生まれたわけです。


作られたのは10機もなかったはずです。


日本ではパンナムに対抗するために
JALが3機のみ"Exective Express"として、
導入しました。


アメリカでは旧ノースウェストやユナイテッドに数機ずつがあるのみ。

747-400となってからは"Big Apple Express"として改称されました。


※Big Apple = ニューヨークの英語での愛称
                     Jazzでも"Big Apple Jam"などという曲があります。


当時のCMとして、
ボーカルグループ "サーカス"の「アメリカンフィーリング」を、
ご記憶の方もいらっしゃるかと思われます。


3. 747-400


グラスコックピット化された747は当然飛べる時代がやって参りました。


4. 777-300ER


本ブログの題名でもある、
長距離便の現在の代名詞たる777-300ERが現在の主役です。


今や双発機が飛ぶ時代です。


その歴史はかなりの変遷と
技術革新が見え隠れします。