対気速度とピトー管

対気速度と対地速度という二つの言葉があります。
もちろん航空機のお話しです。

このお話しはプロにはもちろんのこと、
マニアにもよく知られた話です。

対地速度というのは文字通り地面に対して
どれほどのスピードが出ているか。

対気速度というのは航空機の周りの空気に対して
どれほどのスピードが出ているか。

国内線ではあまり大きな影響を受けませんが、
偏西風に乗ってor逆らって飛ぶ長距離便では大きな影響があります。

東京から西に向かってヨーロッパ主要空港まで、
偏西風に逆らって12~13時間程度、
ヨーロッパ主要空港から東に向かって東京まで
偏西風に乗って11時間半程度、
と長距離になると大きな差が出ます。
※時刻表ベース

航空機の揚力などの飛ぶための条件は
周りの空気との関係で成り立っています。

巡航状態の機体そのものはそれほど変わっていないはずにもかかわらず、
偏西風に乗るか乗らないかだけで
到着時間が変わっています。

それだけ対地速度と対気速度が異なっていることが分かります。


この対気速度を測る方法として、
かなり古くからある方法として
「ピトー管」があります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%88%E3%83%BC%E7%AE%A1

F1などの中継でも車体から
ピンと伸びた管があるのをご覧いただけます。

F1の場合「1本」ですが、
航空機の場合は「3本」です。

実はこの考え方です。

http://blog.goo.ne.jp/a350-1000/e/0723b1fd85a43cced6ab0c940d7d390f

F1マシンはピトー管が壊れても、
人命に影響がありません。

航空機はピトー管が壊れると
航行に影響が出ます。

それ故、1つがおかしくとも残りの二つでもなんとかなるように、
という配慮から「3本」になっています。

Google検索で「機首」の画像をご覧いただければ、
ヒゲのようなピトー管がご覧いただけます。